映画 感想


劇場版アニメ 忍たま乱太郎
〜忍術学園 全員出動!の段〜

忍たまブームの中で、満を持しての劇場版!

…ということで、きっとたくさんの方が、公開日である
2011年3月12日を心待ちにしていらっしゃったと思います。

かえるも勿論その中の一人で、
本当は、ミュージカル観覧時と同様に、
利吉ファンの方々と東京で集まって一緒に
ワイワイ映画を観たいと思っていたのですが。

映画封切の前日、3月11日、東日本大震災が発生。

津波・火災、そして原発事故と心痛むニュースが続く中、
安全を最優先にということで初日の舞台挨拶はキャンセルとなり、
かえるの乗る筈だった東京行きの高速バスも、
燃料規制を受けてたちまち運行休止。

とても劇場版公開をお祝いできるような
状況ではなくなりました。

募金や献血など、自分に出来る行動を
一時的ではなくこの先継続していくことで、
被災地・被災された方々の復興に少しでも繋がればと思いつつ。。

今回そういった状況の中で、
映画を観に行ったりレポをアップしたりして良いのか躊躇いましたが。

劇場版の興行収入を、ひいては日本経済を少しでも下支えできるように、
いつも以上に前向きにやっていこうと思い直しました…!


そんな訳で。
劇場版アニメ感想レポート(兼、自分メモ)
宜しければお付き合い下さいませ^^


(※以下激しくネタバレしています。)


まず全体的な感想としては、
めいっぱいハラハラドキドキジタバタしながら楽しんで、
観終わった後、ほんわか笑顔になれる素敵な作品だったと思います。

プロローグからオープニングまでの微笑ましさと言ったら…!
は組の子供達が楽しそうに遊んでいる様子が、眩しい眩しい。

年々涙腺が緩くなっているようで、
オープニングの「勇気100%」を聞いていたら、
うっかり感無量で泣きそうになりました。

たった79分という限られた上映時間の中で、
たくさんのキャラクターが次々登場し、
それぞれの性格を活かした見せ場で所狭しと活躍するのを観ていると、
素直でのびのびとした元気をもらえますね。

こんな素敵なキャラクター達を生み出して下さった
尼子先生に感謝…!!(涙


それから、あとインパクトが大きかったのは、
アニメ版だというのに野村先生からタラコ口唇が消えていたこと。

あの涼やかなナイスミドルぶりを見せつけられては、
今後の野村×利吉妄想がますます楽しくなるというものですvv
が。

とりあえず全体や先生方、上級生については、
他の素敵サイト様で多々語られている筈なのでこの辺にしといて←

利吉さんに焦点を当てた所感を箇条書いていきます。


・オープニングが済んだ後、わりと早い段階で利吉さん登場。

原作では利吉さんは登場しないお話なので、
「終盤くらいのピンチにちらっと登場」くらいの役どころかと
思っていたのですが、これは嬉しい予想外。
DVD買ったら何分何秒経った時点か計測しよう…。

忍び装束ばかりの画面の中、淡いパステル色の私服姿。
大きなスクリーンで、スラリとした立ち姿が一層映える美人ぶりです。

・庄左ヱ門がタソガレドキ領内で“印”を取っている時、偶然会ったという利吉さん。
集合場所の荒れ寺で山田先生に「何でいるんだ」と尋ねられ、
「ある人からの依頼で教えられない仕事をしてまして。
利害が一致しそうだったので、ついてきちゃいました。」と答えます。

本筋とはこれっぽっちも関係ないけれど気になるのが、依頼主。
利吉さんはわりと今まで「ある城」とか「ある大名」という言葉を使っていましたが、
今回はそうではなく、“ある人”という個人単位であること。
ちょっと珍しい気がしませんかね…。
 

・しかも、稀に見るニコニコ笑顔の利吉さん。怪訝に思う山田先生に、
「父上と一緒に仕事が出来るのが嬉しくて。」なんてサラリと返答します。

こんなにストレートな愛情表現もまた珍しく、むしろ妙に
含みがあって怪しいくらいなんですが、伝パパは特に追求せず。

「何を言っとるんだ」と一蹴しつつ、次のシーンでは
利吉さんをしっかり自分の脇に座らせておりました。

しかし、この席次。山田先生が中央で、
入り口向かって左側に日向先生、右側に利吉さん、となっていて、
こういう時でも利吉さんは上座・下座をきちんと弁えて
座ったのかなーと妄想してしまいます/////

・やがて次々と荒れ寺へ学園メンバーが合流。
 到着した面々に間髪おかず「実は、かくかくしかじかで!」と
 パペットつきで説明する利吉さん。

破壊的に可愛さにキュンキュンする一方、
こんなテンションの高い茶化し方(ボケ?)も珍しい。

説明台詞を省略するための演出だろうけれど、
ニコニコ笑顔+リップサービスの後だから余計ひっかかって、
「意表突く言動で機先を制して、あれこれ質問されるのを
避けてるんだろうか。」とか深読みしてしまったり。

・そんな利吉さんのボケに対し、きちんとオチを作ってくれた乱・きり・しん。

さすが主人公トリオ!出来る子達だ…!

ちょい気になったのが、土井先生の
「利害が一致したんだね…利吉君…」という台詞。
ツッコミでもなく、一緒にボケるでもなく。。
フォローというにはあまりにも冷めた言い方で、かえって微妙な感じが…。

他の面々と同じようにスルーして
主人公トリオのオチを待てば良かったんじゃないかと思いつつ、
まぁ映画中で、無理やりにでも利吉さんと会話したかったのかな〜…。。。

・生徒達がそれぞれの調査結果を持ち寄ると、次第に事態の全体像が明らかに。

利吉さんも、雑渡さんに関する情報を提供してましたが、
「おそるべき実力者と聞いています。」なんて
伝聞形であるところを見ると、まだ二人の面識は無いようです。
が、また「すご腕忍者のスタミナの段」みたいに、
ある日突然仲良くなってて二人で帰って行かれたらどうしようw

・そうこうしているうちに、敵に囲まれてしまう荒れ寺。
すぐに役割分担が決められ、利吉さんは仙蔵とタッグ結成。
二人は敵をひきつける陽動を起こし、その隙に忍たま達が脱出することに。

日が落ちて、闇夜を暗躍する利吉さんと仙蔵。
閃光弾が炸裂する中での共闘シーンは流麗でしたが、
如何せん俊敏すぎて動体視力の悪い目で追うなんて不可能。
DVDを買ったら是非スロー再生したい…。

・そのまま、利吉さんと仙蔵は移動、無事厚着先生率いる喜三太救出チームと合流。

厚着先生率いる喜三太救出チームと合流。
あ、大事なことなので二回言いました。

なんせ利吉さんと厚着先生が、初めて一緒の作戦行動に出た訳ですから!!
これで遠慮なく厚利フラグが立てられるというものです!!

しかも厚着先生、「利吉君」とちゃんと名前を呼んでくれました。
厚着先生のこの声には、生真面目さと緊張感だけでなく、
ほのかな中年の恋心が漂うような気がするんですけど、気のせいですかね。

・そして、喜三太救出チームは、夜の闇に紛れてオーマガトキ城へ潜入。

おとり人形を操作する滝夜叉丸・左門・厚着組と、
喜三太の居所を探る利吉さん・仙蔵組は、運良く城の堀で喜三太と再会。

このシーンの見所は、なんといっても堀を泳いで
身体を起こしたばかりの水が滴る利吉さん!!!!

ぽたぽたと滴り落ちる雫が艶やかさを引き立てるばかりか、
濡れた前髪を軽く手櫛で整える仕草!!!!

心臓を打ち抜かれました。
なんだあの殺人的な可愛さ…!!!!

絶対この続きは、安全な場所へ撤収した後、
どこかで厚着先生が「濡れた服を着替えなさい、風邪を引く。」とか
「火を起こしたから、着物を乾かしなさい。」とか言って、
何気なく利吉さんの肌を見ちゃった瞬間、
めくるめく四十路の恋が始まるはずだ!!!!
…と信じて疑いません!!!!

でも、それで喜ぶのはまだ早い。
かえる的ベストオブアニメ版映画名台詞は、この後でした。

・再会を喜ぶのもつかの間、喜三太は
ナメクジを人質に取られているので逃げられないと訴え。
ナメクジ救出を約束する仙蔵に次いで、利吉さんは言います。
「ついでに、夏休みの宿題、済ませちゃおうか?」と。

…ハイ!!キタ!!来ましたコレ!!
まずこの言い方がもう、声優・岡野さん本領発揮です。

お兄さんらしい優しく落ち着いた声音。
そしてほどよく茶目っ気を含んだ口調。
パーフェクトです!!!!(落ち着け)

さらにその提案内容。
喜三太の宿題は「オーマガトキ城主の褌を取ること」。
たかが宿題とはいえ、もし難しい課題を達成できたなら、
子供心にどれだけ自信と勇気を与えるか!

実際、帰り道に褌を旗のように高く掲げて歩く喜三太は、
誇らしげでとても嬉しそうな表情をしてました。

原作にはないこの笑顔を、お膳立てしたのが利吉さんだなんて
ありがたすぎる脚本です!

単純にピンチに登場してアクションシーンで活躍して終わり、
ではないのがいいですね…。
自分の任務とは直接関係ない事でも、きちんと見逃さない心遣い。

この瞬間を以って、厚着先生の利吉さんへの恋心は
瞬間的なときめきから、深い愛情へと変わること
間違い無しだと確信しましたvvv

・結局、この後ナメクジも何とか救出。

仙蔵の回想シーンでちらっとしか触れられませんでしたが、
燃え盛る炎の中、仙蔵たち・厚着先生・利吉さんの順で脱出。

…やはり利吉さんが殿(しんがり)でした。
軽身剤の時だって利吉さんが最後。
敵方から逃走する時、一番危険なのは最後の人間で、
自分より年上の学園教師だっているというのに、
そういう役割が当然のように最後にいるんだもの…。
おまけに利吉さんは、方向音痴の左門のフォローまで…。

どうも利吉さんは、学園関係の騒動で
自ら“陣頭”に立たないけれど“矢面”に立つ傾向が
あるんじゃないかと考えてしまう。

…けど、こういう話を始めると際限なく広がってしまうため、強制終了。

・喜三太・ナメクジ救出成功後、厚着・利吉組はタソガレドキの陣へ移動。
仙蔵だけが園田村へ作戦成功の伝令に走る一方、
入れ替わりで園田村からは、伝パパとタカ丸がタソガレドキの陣へ向けて出発。

ここで一晩経過するので、厚着×利吉的には非常に美味しゅうございます。
ただ、このあたり、キャラクターの移動が激しくて中々全員の
行動経路を把握しきれていない駄目かえるorz
はやく…DVDを…復習したい…。

・翌日、学園メンバーもタソガレドキの布陣へ次々潜入。
それぞれが物売りや職人・旅芸人に変装するなか、
利吉さんは滝夜叉丸とヘムヘムと曲芸??

このシーンも顔が見えず、正確には断定できてません。。。
滝夜叉丸と一緒にいるなら、田村三木エ門かなぁとも思いましたが、
あの軽い身のこなし…利吉さんのようにも見える…
うーんうーん。。

・園田村襲撃中で手薄になったところを、ドクタケに急襲され慌てるタソガレドキ陣営。
混乱に乗じて、忍術学園メンバーは、タソガレドキ城主にかばいの制札への署名を取り付ける。
しかも署名に先立って、女装した山田先生と利吉さんが、祐筆から城主の朱印を詐取していた。

この朱印詐取のシーン。
一瞬だけの回想で終わってしまうため、タイミングがいつなのかはっきりしません。

利吉さんと厚着先生たち救出チームが脱出を終えた後、その晩のうちに実行したのか…
でも祐筆に一般商人が面会を申し込んで請求書類に朱印押せ、と迫るのが夜ってのも変な話なので、
やはり当日午前中に実行したのか??と推測していたり。

かえる的には、厚着先生と一晩過ごして欲しいので、伝パパ・タカ丸組とは、
当日朝がたにでも合流したと考えたいところでして…。

戦時に必要な文書を発給するため、祐筆が戦に同行するケースもあるらしいですし、
だとしたら、山田先生と利吉さんはタソガレドキの陣幕の中しか移動していない訳なので。
時間的に出来ないことはないのかなーと思うんですが、どうなんでしょう。

・タソガレドキ城主は、合計15の村の分の「かばいの制札」を
発行してしまったことに悔しがりながらも、そのまま引き下がり撤収。
密通していたオーマガトキ城主だけが、その場に取り残される。

今回の騒動には、園田村以外にも14の村が関係していたことが発覚。
それにしては「かばいの制札」を得るために、
園田村だけが襲撃を受けるリスクを背負って、あとの村々は無傷かぁ…
とか思わなくもないですが。
このあたりが、利吉さんに仕事を依頼した“ある人”と
関係してくるのかもしれません。

・領民から年貢を搾取しようとするオーマガトキ城主に、お灸を据える忍術学園。
そして喜三太は見事城主の褌を取って、宿題を達成するのだった。

利吉さん発案と思われるコンビネーションで、
滝夜叉丸→戸部先生→喜三太ナメクジの波状攻撃でした。
利吉さんが戸部先生にお願いしたのかなーとか考えると、これまた美味しいです。

でも、ここで気になるのが「厚着先生はどこへ??」という点。
画面に入らないだけで近くにいると思うんですけど…。
一応最後のほうで、俯瞰のカットが入って、利吉さんの両隣の人影が黒かったんですよ。
(違ってたらスミマセン;うろおぼえ〜…)
右側は山田先生かな?と思うので、左側が厚着先生で、
いつのまにか利吉さんの横をちゃっかり押さえてたらいいのに、と願っていますw

・エンディング。学園長と話しながら、
小松田さんからかばいの制札を受け取っている(?)シーン。

一瞬の静止画ですが、意外に重要なんじゃないかと思うこの部分。
利吉さんに仕事を依頼した“ある人”とは誰か?とか
利吉さんの言う“利害”が何なのか?って疑問とも繋がってくるんじゃないかと。

で、ついでにここで大利的な見方をしてみると。

かばいの制札を欲しがった15の村の一つとして、
案外、杭瀬村も入ってたんじゃないかな…とか。

忍たま世界の地理は全く分からないものの、単純に現代の地図で地名だけを見たら、
園田(駅)と杭瀬(駅)は距離にして2キロしか離れていないですし。
置かれてる状況は園田村も杭瀬村も似たようなものだったのかもしれない。。

ただ、今回の騒動は一揆という類のものでもないし、
大名VS農村(+忍者)なんて構図ですから、一歩間違えたら
まさに信長の伊賀攻めみたいな悲惨な結果が待ち受けてる訳ですよね…。

園田村は、地の利に恵まれ、佐竹衆を雇える経済力がある上に、
忍術学園ともパイプを持っているからこそ大胆な行動も出来たんでしょうけど、
普通、大名と全面戦争なんていうハイリスクを背負う村は無いんじゃないかと思います。

忍術学園だって、世直し・勧善懲悪ヒーローみたいな単純な存在ではない以上、
いくら村に頼まれたからって、ホイホイ城同士の政治に介入するのは危険な行動で、
あまり頻々できることではない筈。。

なので、その辺の事情を勘案した大木先生は、
杭瀬村や学園を危険に晒さず、それでいて必要な情報を得ようとして
秘密裏に“フリー”の利吉さんに内情を探らせていた…というのも…
考えられなくはない…かもしれない…!
 

・忍たまたちに手を振り、一人任務へ戻る利吉さん。

利吉さんを見送ってる忍び装束の教師は、、やっぱり山田先生…なんですよね?
見ようによっては厚着先生に……み、見えないかな〜/////;;

なんて妄想する一方で、このお別れの場面を見ていると妙に切ない。。
何故だろう?と考えてみて、思ったのは、お別れの「その後」。

物語はハッピーエンドで、村には平和が戻るだろうし、
忍たまや先生たちは慌しくも楽しい学園生活が始まるだろうし。
どっかの城はまた懲りずに悪巧みをしては失敗するかもしれないし、
どっかのお抱え忍者達はリベンジを誓って仲間と切磋琢磨するかもしれない。

そんな感じで、わりと容易に、
それぞれが帰る場所も、微笑ましい「その後」も想像できる。

けど、利吉さんに関しては、向かう先も「その後」も全然分からない。
またどこかで一人、忍びの仕事を遂行していくんだろう、という
結構シビアな推測ができるだけ。

だから、手を振る利吉さんの姿を見ていると、
せめてその向かう先や「その後」の中に大木先生がいて、
利吉さんをちゃんと受け止めてあげてほしいなぁと思うのでした。
 


…ということで、以上、
感想というより妄想ばっかりになってしまって、
しかも長文で…申し訳ありません。。
ここまでお付き合い下さり、有り難うございました!!

利吉さんのりの字も出てこない原作話をベースにしているのに、
こんなに素敵な利吉さんを、要所要所の見せ場を通して
表現して下さった制作スタッフの皆様に感謝の念を捧げつつ。

まだまだ語り足りない&消化不良なシーンもありますので、
イベントなどで利吉さんファンの方々と語れたらいいなぁと
夢を見ております。

そして夏には実写版!
難しいかもしれませんが、利吉さんファンの方々と
一緒に観られるように祈るかえるでありました。




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